
30分で日常へ戻った朝
朝、目を覚ますと、船はすでに東京へ到着していた。
昨日まで窓の外に広がっていたのは海ばかりだったが、そこには見慣れた東京の景色があった。
下船は朝8時。
少し早めに部屋を出て、最後の朝食を食べるためにビュッフェへ向かった。
9日間、何度も通ったビュッフェも、これが本当に最後になる。
朝食を済ませると、部屋へ戻って忘れ物がないか確認し、手荷物を持って下船の準備をした。
やがて案内に従って船を降りる。
前日の夜に廊下へ出しておいたトランクは、すでにターミナルの受け取り場所へ運ばれていた。
自分の荷物を探して受け取り、下船の手続きを済ませる。
こうして、9泊10日の船旅は終わった。
ターミナルの外へ出ると、タクシーに乗った。
自分たちの家からクルーズターミナルまでは、車で25分から30分ほどしかかからない。
出発するときも近くて便利だとは思っていたが、それが特別なことだとはあまり感じていなかった。
けれど、船の中で話をしてみると、乗客は日本中から集まっていた。
北海道から来た人もいれば、京都や大阪、鹿児島から来た人もいた。
鹿児島から参加していた人は、8日目に鹿児島へ寄港したとき、
「ここで降ろしてもらった方が、早く家に帰れるのに」
と、冗談半分に話していた。
東京へ着いても、その日のうちには帰らず、東京で一泊してから、翌日に新幹線や飛行機で帰るという人も少なくなかった。
そんな話を聞いたあとで、自分たちはタクシーに乗り、わずか30分ほどで家へ着いてしまった。
ついさっきまで、何千人もの乗客を乗せた巨大な船の中にいた。
それが、気がつけばもう自宅の前にいる。
あまりにもあっけなく日常へ戻ってしまった。
家の中に入り、荷物を置く。
飼猫が迎えてくれた。
留守中は嫁に行った娘が毎日来てくれて、トイレと食餌の世話をしてくれた。
翌日は、トランクを開けて荷物を片づけたり、洗濯をしたり、買ってきたものを整理したりして一日が終わった。
そして、その翌日にはもう仕事へ戻った。
つい数日前まで、昼間からデッキでビールを飲み、夜には劇場でショーを観ていた。
それが今では、いつもの店に立ち、いつもの毎日を送っている。
夢のような船の旅は終わった。
けれど、函館、酒田、金沢、済州島、鹿児島で見た景色や、船の中で過ごした時間は、今もはっきりと残っている。
店を40年続けてきた節目と、古希を迎えた記念に出かけた、9泊10日のクルーズ。
長いようで、終わってみればあっという間だった。
旅は終わり、また日常が始まる。
けれど、日常へ戻ったからこそ、次の旅を楽しみに待つことができる。
今日を大切に、明日を楽しみに。
また、いつか新しい旅へ。
次回からはまた、沖縄海洋博覧会の続きだよ。
て言うか、クルーズまじ楽しかった。
一生に一度くらい良いだろう的な気持ちでチャレンジしてみたが、
機会があったらまた行きたい。
今度は、別にバルコニーが付いてなくても良い。
部屋は一番安い設定で良い。
だって部屋の作りはほとんど同じで、バルコニーが有るか無いかで料金がかなり違う。
確かにバルコニーが有ると、朝目が覚めてバルコニーに出て海を眺めていると、
ちょっとはリッチな気分になるが、それだけのことで、
正直言って部屋は酔っ払って眠ってしまうだけなので、静かならどこでも良い。
浮いた分でかなり美味しものが食べられるし、お土産も買える。
ちなみに、隣の部屋の音が聞こえるとか廊下の音がうるさいとかネットの書き込みにあるが、
全くそんなことは無かった。
来年も行こうかなと思ったりもしている。

コメント