日々と夢の終活日記

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四日目山形県酒田市

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一番印象に残った町、酒田

函館を出港した船は、一晩かけて日本海を南へ進んだ。

朝、目を覚ますと船はもう酒田港に着いていた。

今回のクルーズでは函館や金沢、済州島など有名な寄港地もあったのだが、振り返ってみると一番印象に残ったのはこの酒田だった。

なぜなのか、自分でもうまく説明できない。

でも今こうして思い返してみると、その理由が少しわかる気がする。

朝食を済ませて船を降り、市内へ向かう巡回バスに乗った。

酒田は昔、北前船で大いに栄えた港町だという。

実際に歩いてみると、その頃の面影を残す建物が今もあちこちに残っていた。

古い料亭やお茶屋だった建物。

昔の賑わいを感じさせる町並み。

ところが今はとても静かだ。

もちろん人がいないわけではない。

ただ、東京で暮らしていると、人の少なさに少し驚く。

けれど不思議なことに、それが嫌ではなかった。

むしろ歩いていて心地良かった。

古い建物を見ていると、つい昔の様子を想像してしまう。

大きな座敷には大勢の客がいて、酒を酌み交わしていたのだろう。

芸者さんたちが行き来し、笑い声が響いていたのかもしれない。

今は静かだ。

でも建物は、その頃の賑わいをどこか覚えているように見えた。

栄枯盛衰。

少し寂しい気持ちになる。

けれど同時に懐かしさも感じる。

そんな場所が俺は昔から好きだ。

日和山公園では松尾芭蕉の銅像や句碑も見た。

そこには、

「荒海や 佐渡によこたふ 天の川」

という有名な句が刻まれていた。

奥の細道を旅した芭蕉も、この土地を歩いたのだろう。

公園から眺める景色も良かった。

そして何より印象的だったのが鳥海山だった。

町を歩いていると、普通の住宅街の向こうに雪をかぶった大きな山が見える。

東京ではなかなか見られない景色だ。

山が遠くに見えるのではなく、町のすぐ後ろにそびえているように感じる。

思わず足を止めて見入ってしまった。

また、昔の料亭を利用した施設では見事な飾り雛も展示されていた。

部屋いっぱいに吊るされた色鮮やかな飾りは圧巻だった。

写真では見たことがあったが、実際に目の前で見ると迫力が違う。

しばらく見入ってしまった。

昼は酒田ラーメンを食べた。

ワンタンメンが有名だというので、一番人気らしい店へ向かった。

店の前には行列ができていて、30分ほど並んだ。

ようやく食べることができたのだが、正直な感想を言うと、普通だった。

もちろんまずいわけではない。

普通に美味しい。

ただ、30分並んでまで食べるほどかと言われると、俺にはよくわからなかった。

むしろ近所の街中華のラーメンの方が好みに合っている気がした。

まあ、それも旅の思い出だ。

坂田は静かな町だ。そこに突然3000人以上の人間が押し寄せのだ。そして人気店だとガイドブックで紹介されたラーメン屋さんに群がったのだ。そりゃあスープだって味がうすくなるよな。

夕方になり船へ戻る。

出港の時間になると、岸壁では地元の人たちが太鼓を演奏しながら見送ってくれた。

坂田の人たちは暖かく迎えてくれて、暖かく見送ってくれた。

手を振る人たちの姿が少しずつ小さくなっていく。

数時間しか滞在していない町なのに、なぜか名残惜しかった。

今回の旅ではたくさんの町を訪れた。

それでも、一番心に残ったのは酒田だった。

派手な観光地ではない。

けれど、雪をいただいた鳥海山、北前船の面影を残す町並み、そして静かな空気。

またいつか訪れてみたい。

そんなふうに思わせてくれる町だった。

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