日々と夢の終活日記

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クルーズで唯一の外国

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済州島に上陸した日

船は朝、韓国の済州島へ入港した。

今回のクルーズで唯一の海外寄港地だ。 函館、酒田、金沢と日本の港を回ってきて、ここで初めて海外へ出ることになる。

まず向かったのは、天地淵の滝だった。

バスを降りて、少し歩く。

遊歩道の脇には、済州島名物の石像がずらっと並んでいた。

「トルハルバン」というらしい。

俺には最初、「石のおじさん」に見えた。

後で知ったが実際おじさんと言う意味らしい。

愛嬌があるような、不思議な顔をしている。

済州島は火山の島だからなのか、石の感じが日本とは少し違う。

黒っぽくて、どこかごつごつしている。

その石で作られたおじさんたちが、道端にずらっと並んでいる光景は、なかなか面白かった。

森の中をしばらく歩くと、滝が見えてきた。

天地淵の滝。

水音が響いていて、思ったより静かな場所だった。

観光客は多いのだが、不思議と騒がしい感じはしない。

緑の中に滝が落ちていて、ここだけ少し空気が違うような気がした。

滝を見たあとは、東門市場へ向かった。

ここは一気に雰囲気が変わる。

さっきまでの静かな滝とは違って、市場の中は人でいっぱいだった。

韓国語の看板が並び、食べ物の匂いがして、店の人の声が飛び交っている。

「韓国に来たんだ」と、この時いちばん実感したかもしれない。

市場は思ったより広かった。

あわびやハマグリの鍋を出す店もあれば、串に刺した食べ歩きのものもある。

何が何だかよくわからないまま、ぶらぶら歩いているだけでも面白い。

その中で食べたのが、ピーナッツ餃子だった。

これが美味かった。

正直、何気なく買ったのだが、思った以上に印象に残っている。

店のお姉さんが、とても流暢な日本語で話しかけてくれた。

あまりに自然だったので、

「日本に住んでいたんですか?」

と聞いてみた。

すると、

「いいえ。日本人のお客さんが多いので、独学で覚えました。日本にはまだ行ったことがありません。いつか行きたいです」

というようなことを話してくれた。

これには少し驚いた。

イントネーションは、日本のテレビドラマなんかを見て勉強したらしい。

こういう話を聞くと、韓国の人はすごいなと思う。

余談だけれど、韓国の音楽グループなんかも、日本に来ると片言でも日本語で話そうとする。

もちろん仕事だからという面もあるのだろうけれど、相手の国の言葉を覚えようとする姿勢は、単純にすごいと思う。

話を戻すと、市場ではミカンジュースも飲んだ。

済州島はミカンも有名だ。

そのペットボトルが、また例の「石のおじさん」だった。

トルハルバンの形をしていて、妙にかわいい。

飲み終わったあと、捨てるのがもったいなくて日本まで持って帰ってきた。

市場の中をもっと見ていたかったのだが、気がつくとバスの時間が近づいていた。

もう少しゆっくり見たかったなと思いながら、バスに乗った。

窓の外を眺めていると、ふと昔の日本を思い出した。

高度成長前の日本というのかな。

もちろん、俺の勝手な感想だ。

実際の韓国の人からしたら違うかもしれない。

でも、町の雰囲気や市場の活気を見ていると、どこか懐かしい感じがした。

新しいようで、少し昔っぽい。

賑やかなのに、どこか素朴な感じもある。

そんな印象だった。

港へ戻ると、あらためて船の大きさに驚く。

何度見てもでかい。

乗客が約4000人、クルーが約1500人乗っているという。

ほとんど小さな町だ。

そんなものが海に浮かんでいて、次の港へ移動していくのだから、やっぱりすごい。

乗船してしばらくすると、船はフェリー埠頭をゆっくり離れていった。

済州島の景色が少しずつ遠ざかっていく。

日も暮れてきたので、まずはバーで軽く一杯。

そのあとビュッフェへ行って、いつものように食事をした。

この日は焼きたてのピザがやたら美味かった。

ピザとビールで腹いっぱいになる。

旅先で市場を歩き、船へ戻ってピザとビール。

そのあとは、恒例になったロンドンシアターへ。

この頃は、シアターでショーを見るのもすっかり日課になっていた。

済州島の滝、市場、ピーナッツ餃子、石のおじさん。

一日でずいぶんいろいろ見た。

日本の港町とはまったく違う空気があって、短い時間だったけれど、やっぱり海外に来たんだなと感じる一日だった。

まだ寝るにはちょっと早いので、最上階の子供は入れない高級な雰囲気のバーへ行って,

(と言ってもここも💲10以下のドリンクは無料だよ)夜中まで飲んでしまった。

明日は鹿児島だ。 とっとと寝よう。

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